GRACO E-20 ②

GRACO E-20の続き

 

<機械の特徴>

・ICによる制御=代用品が国内では入手不可

・配管径はISOとPOLで異なります。

 これにより誤接続を防ぎます。

 但し、特殊規格ですので、こちらもインチで代用不可ですが、

 緊急的に繋ぐ方法はあります。

 (無理やりつなぐだけ)

 

・ISOコンポーネントの循環洗浄装置は硬化し、使用不可になりがち。

 

<注意点>

・ヒーティングホースへの電源供給方法が特殊。

 (低電圧、高電流)

※日本のセブンテック製吹付装置では基本的に200VAC供給(電流値は10~13前後)が多い。

これは安全規格に対する考え方の違いによるものです。

 

日本:KYT活動!指差し確認。教育の徹底。つまり人依存です。

欧米:そもそも危険がない設備を作ろう。新人が操作しても危なくないようにね。

 

とても面白いです。

 

例)実際の抵抗値は忘れましたので、数値は適当です。

S:200V*10A=2000W

G:50V*40A=2000W

 

何となく見えてきましたね。

”感電”に対する安全のとらえ方が異なります。

 

電流を抑えるのか、電圧を抑えるのか。

 

もう一つわかったことがあります。

「日本で出回っている標準的なワイヤーブレード高圧ホースは使えない」

 

正確には使用に堪えることはでいない可能性が高い。

電源供給を弄る必要がありますね。

 

 

因みに、カタログの吐出量は現実の条件とは異なる為、鵜呑みにしてはいけません。

原料や環境、仕様によって異なります。

そもそも、SPFで10㎏/min必要な現場ある?

 

屋上や大規模施設の場合は、反対に機械の能力が追い付きません。

(ヒーティング能力、ホース長など)

 

その場合は上記機種へどうぞ、というよくできたラインナップになっております。

小型システム

小型の発泡ウレタン、ウレアなどのスプレー機器について検討してみたい。

 

既存の大規模な現場は競争が激しく、どうしても㎡単価は低くなりがちです。

そういった現場向けの設備としてはGRACOが圧倒的に強く新規メーカーとしての

参入は困難だと思われます。

 

但し、日本メーカーならではの高サポート性でもって、同等能力の機器を提供

することができれば、一定数の需要はあるかと思われます。

(GRACOは代理店はあれど、整備についてはできるところは少ないように

思えます)

 

さて、小型マシンが狙うべきは、特殊な用途にスプレーを希望する現場。

例えば、造形。

 

遊園地等の本物そっくりの石や置物はみたことあるかと思います。

あれ発泡スチロール等を成形し、その上からウレタン樹脂等をスプレーし

コーティングしていることが多いです。

 

また別のところでは、製品のある工程において発泡やウレアを吹付するところもございます。

こういった特殊用途では、単価というよりも付加価値をつけるために行っているところが多く、また機器に関しても吐出量は少なめが多いです。

 

施工店としても、大小バリエーションをもつことで、異なる現場に対応ができるため

可能性も広がります。

 

個人的に面白そうな原料がございます。

LINE-X

高強度ポリウレアです。

 

米軍の防弾ベストにも採用ということですは、相当な強度なのだと思われます。

車への施工はドレスアップ要素もあり、一定数の需要はありそうです。

 

ことらの樹脂は補修向けにマッチしそうです。

以前大阪において、登校中の女の子が崩れてきたブロック塀の下敷きになったという

ニュースがありました。

点検漏れなのか、予算がないのか、とにかく悲しかったです。

 

その後、知り合いの施工店は、老朽化したブロック塀へのスプレー工事を受注し、

LINE-Xで補強するとのことです。

 

日本全国今後補修の現場は増えてくると予想します。

そういった現場に対応できるコンパクトな機器が求められている気がします。

アイシネン ICYNENE

発泡ウレタン原料メーカー

 

アイシネン ICYNENE

 

面白い紹介ビデオがありました。

要するに気密性が高いということです。

 

日本国内で大手と言えば

アクアフォーム

フォームライト

アイシネン

などが有名ですが、個人的に品質ではアイシネンなのかなと思います。

ただアメリカと日本の原料は比べてみたいですね。

 

どのメーカーもそうですが、アジアパシフィック拠点は台湾や中国本土にあり、

原料もそこで配合されたものが多いです。

 

価格は抑えられていますが、当然その分品質は。。。ということだと思います。

最近は硬質ウレタン(不燃材)がジワリジワリときておりますが、まだまだ難燃系の需要もありそうです。

 

www.youtube.com

ドラム缶残量確認

ドラム缶の残量は常に把握しておかないといけません。

 

空打ち(材料が空の状態でポンプを動作させること)させてしまうと、吹付不良や

その後の機器故障に繋がる可能性が高くなります。

 

常に機器には適切な原料が供給されていなければならないため、

ドラム缶内にどれくらいの残っているのかを時々チェックすることが大切です。

 

方法は簡単です。

スケールや長尺、木の棒という方もおりますが、材料が付着した部分の長さを図るだけです。

現状ではこの方法が最安で手っ取り早いです。

 

今後、原料使用のモニターや記録が義務化されてきた場合はデジタル化は必須です。

 

GRACO社に興味深い製品がありました。

PULSE TLM

TRACK FLUID LEVELS

  • Easily track and record inventory levels with electronic monitoring.
  • Helps increase shop efficiency.
  • Increases transparency of fluid consumption—reduces inventory shrinkage.
  • Improves accountability and productivity.
  • Reliable—time-tested Graco engineering.

 

原理はレーザー式スケールと似ています。

ワンタッチな所も便利です。

 

 

・ISO付着時の信頼性

・吹付設備側との連動制

などが解決されると非常に有効だと感じました。

 

液面が設定値以下では機械とドラムポンプを停止させる。

外部出力機能はどうだろうか。

要チェックです。

富山の置き薬

新しいサービスの提供方法として「富山の置き薬」を検討しています。

 

ご興味ある方はご連絡ください。

 

 

<方法>

・予備としてメイン構成部品を顧客に預託

各アッセンブリ品、シールキット、予備ホースなど

 

<目的>

・ダウンタイムの削減

緊急で部品交換が必要な場合に、預託在庫から使用。

交換した部品で修理するものはこちらの倉庫へ発送。

整備後再送し予備部品として預ける。

メリットはすぐに交換し、現場復帰が可能。

手元ホース1本の為に往復する時間やロスを考慮すると、

最低限を1式持つことで相当のコスト削減につながると思われます。

 

<ポイント>

・定期的な在庫チェック

・置き場所は顧客側で準備(大したデメリットにもならないはず)

・修理費用は別途発生

 

面白いと思いますが、どうだろうか。

一年間に緊急的に修理の為に遠方まで運転する機会が何度あるか。

20回以上になるでしょう。

1回で一日分の人件費と現場ロスを考えるとメリットはかなり有ると思われます。

 

興味ある方は是非ご連絡を。

コロナの先について

コロナ騒動後、世の中がどのように変化するのか想像してみました。

 

①自動化、ロボット化

②リモートワーク、省人化

③分散化

 

自動化などいわゆるIOTはコロナ前からすでにあったことですが

今回の件で更に強く推し進められると思います。

 

ウイルス等の影響を受けにくい体制を推進し、と同時に人に依存しない仕組みづくり

を模索するはずです。

更にリスクヘッジの為に拠点を地方へ移管(分散)もあり得ます。

 

首都圏中心から地方へ少しでも流れようと、意識が向くことは良いことだと思います。

日本全体のリスクヘッジにもなりますし、

私自身田舎者であり、地方の活性化に期待しております。

 

<地方への人口移動~建築需要増>

・マンション、アパート、戸建て

主要駅前の開発から予算組まれ、高層マンションが見込まれます。

例えば東海地方でも名古屋へのアクセス圏内に関して言えば、非常に開発が進んでおります。

更に老朽化による改築やリフォーム案件もなくなることはありません。

こういった施工件数を稼ぐことができるかどうかがポイントになることでしょう。

 

・オフィス、工場設備

個人的にはこちらに新たな需要が生まれると睨んでおります。

A:国内外から地方への製造業の回帰

B:スモールファクトリー化、3Dプリンタによる小ロットメーカー。

C:現在までの工場設備等の老朽化、新基準による改築。

 

特に”C”について、石綿つまりアスベストが問題となっております。

工場の中で壁や天井をみたことあるでしょうか?

発泡断熱材のようなモコモコしたもので覆われているのを一度は

見かけたことがあるかと思います。

実はあれが問題で一時ニュースでも騒がれておりました。

 

とあるペイント塗料メーカーはノンアスベストの吹付施工を

模索しているようです。

私も実はE-20等のスプレー機で試験したことがあります。

 

建築となると施工面積や単価もそれなりに期待できます。

ここにチャンスがあると感じます。

 

依頼があった際に、「うちの機械なら大丈夫ですよ。」と答えられるような

柔軟性の高い機械を作りたい。

 

仲間も募集します。

 

 

 

 

スプレーガン②

スプレーガンの整備方法についての纏め

 

<使用後必ず行う箇所>

・チャンバー、チップの洗浄

・チェックバルブ、逆止弁部の洗浄

・ミキシング部の洗浄

・フィルター洗浄

・上記部品へのグリスアップ

 

<定期メンテナンス>

・エアー駆動部へのグリスアップ

・Oリング等交換

・スプリングバネレートチェック

 

基本的にイソシアネート側は硬化する為、毎回洗浄は必須となります。

個人的には作業後に全て分解してもよいほどと考えます。

 

洗浄の際のポイントとして、Oリングの材質には注意が必要です。

一般的にエアー駆動部は材料等と触れ合うことがないため、

NBRのOリングを使用していることが多いです。

その為、溶剤系に浸すと膨潤、可塑化が進むため気を付けなければなりません。

またチャンバー等、細い経路の清掃には、適切なツールやドリルを使いましょう。